Takram Cast Live × THINK111 田川欣哉
2020.05.13
今月のTHINKは、ゲスト田川欣哉さんが率いるデザイン・イノベーション・ファーム「Takram(タクラム)」が主催する公開収録プログラム「Takram Cast Live」とのコラボレーション。一般公開で、オンライン配信にてお届けします!
東京、ニューヨーク、ロンドンに拠点を構えるTakram。代表を務める田川さんは、東京大学工学部在学中に経験した電機メーカーでのインターンで、“デザイン”と“エンジニアリング”が、全く別の違うベクトルで進められていることに違和感を感じ、そこでデザインとエンジニアリングの両方を自分はやりたいのだと明確に自覚。大学卒業後は英国・ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのインダストリアル・デザイン・エンジニアリング学科の修士課程へ留学されました。そして、山中俊治氏の主宰するリーディング・エッジ・デザインでデザインエンジニアとして働かれたのちに、Takramを共同設立されています。
ホームページをのぞくと、メルカリや日本経済新聞社など、数々の企業ブランディングや、商業スペースのディレクションをはじめとして、人手不足の運送業界を変える配車管理システムの構築設計。そして、農薬散布や収穫を可能にする農業用ロボットのデザイン開発。さらには、昨年11月にスタートし話題となった「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」のディレクションなどなど。デザインとエンジニアリングを軸としつつも、その領域はボーダレスで、新しい価値を次々と生み出されています。そんなTakramをイメージして、今回の「THINK」のロゴは、“実体のないものをあるものへと導く、影武者のような存在”をコンセプトにデザインさせていただきましたが、田川さんご自身も多数のインタビューで「世の中にないもの、前例のないもの、誰もやったことのないものをつくるのが自分たちの仕事である」と語られています。
人々にワクワクを与え続けるTakramには、エンジニアをはじめプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、マーケッター、編集者など多様な分野のプロフェッショナルが世界中から社員として集まられており、その個人個人がメディアや講演会などにも立ち、“Takramのグラフィックといえば、○○さん”と周知され、結果その個人が、プロジェクトを引き寄せ、新たな価値をまた世に送り出していく・・・という相乗効果を生み出しているように思います。「既存の枠組みを素直に受け入れる人はTakramにいない」と田川さんが仰っていますが、そこに所属する一人一人が、その違和感を常に持っているからこそ、実体のないものからあるものへと導いているのではないでしょうか。今回は、普段は“影武者(黒幕?)”である田川さんの“正体”を、短い時間の中で、少しでも覗けたらと思います!どうぞお楽しみに。
Takram Cast Live × THINK_111
日時:5月26日(火)21:00〜23:00
U R L:https://twitter.com/Takram_ja
Guest
田川欣哉 / Kinya Tagawa
プロダクト・サービスからブランドまで、テクノロジーとデザインの幅広い分野に精通するデザインエンジニア。主なプロジェクトに、トヨタ自動車「e-Palette Concept」のプレゼンテーション設計、日本政府の地域経済分析システム「RESAS」のプロトタイピング、メルカリのCXO補佐、清水エスパルスのリブランディングなどがある。経済産業省・特許庁の「デザイン経営」宣言の作成にコアメンバーとして関わった。経済産業省産業構造審議会 知的財産分科会委員。グッドデザイン金賞、 iF Design Award、ニューヨーク近代美術館パーマネントコレクション、未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定など受賞多数。東京大学工学部卒業。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2015年から2018年までロイヤル・カレッジ・オブ・アート客員教授を務め、2018年に同校から名誉フェローを授与された。