THINK110 大橋直誉
2020.03.06
世界最速のオープンから2ヶ月でミシュランレストランガイド1つ星を、弱冠29歳で獲得。予約のとれない人気店だったのにもかかわらず、閉店を宣言し、5年半という短さで惜しまれながらもクローズした、東京・白金「TIRPSE(ティルプス)」という伝説のレストランをご存知でしょうか?
今回のゲストは、その「TIRPSE」オーナー・大橋直誉さんをお招きいたします。北海道出身で、元々は競輪選手を目指していたという大橋さん。その夢を諦め、お母様に勧められた調理専門学校へ進学し、東京の老舗フランス料理店である「レストランひらまつ」へ入社。その後、ソムリエに転向され単身渡仏。2つ星レストラン「コルディーアン・バージュ」でソムリエを務め、帰国後、ミシュランガイドで3つ星をとり続ける有名店「カンテサンス」へ。そして、独立してオープンしたお店が、史上最速でミシュランの星を獲得。まるで、人生順風満帆とも見える大橋さんの経歴ですが、なぜ突然お店を自らクローズさせたのか・・・大橋さんが公開されているnoteをのぞいてみると、“自分が描けないとこに行ってみたいと思った”と記されています。また、TIRPSEで“サービスをしているとすごく楽しいし、充実感がある。でもな〜んも思いつかないし、な〜んも生み出していないってことが嫌だった”とも。
その後、大橋さんはレストランプロデューサー、そしてフードキュレーターとして、飲食店のコンサルをされたり、数日限定で日本の野外のどこかにオープンする「DINING OUT」というイベントをプロデュースされたり、ポップアップレストランを地方で行ったり、地方の酒蔵さんとコラボレーションをしたり。さらには、サウジアラビアの王宮にレストランを作る話があるから来て欲しいと、2ヶ月間滞在され、日本からシェフたちをセレクトして呼ぶなど、肩書きの枠を大きく超えてご活躍されています。普通だったら、お店が成功したら、それをできるだけ継続させようと思うのが常ですが、大橋さんはそれらを全て捨てても、もっと向こうへ、もっと違う世界へと、何か自分に足りていないピースを集めるかのように、貪欲に挑戦され続けています。
建築家だけでなく、起業家という肩書きも持つ谷尻も、「これからは、ひとつのことを深くよりも、広く深くが絶対いい」とよく話します。もちろん大橋さんのように、新しいことへの嗅覚とセンスがあることも大切ですが、シェフは料理を作る人、サービスはホールでサーブする人、というような固定概念を取り払い、自分の心惹かれるものにまっすぐに向かっていこうとする実直さが、周りの人の心を動かし、人々を巻き込み実現させていくのではないでしょうか。この簡単そうで、最も難しい“行動力”と“人たらし力”が、これからの時代、本当に必要なのかもしれません。
大橋さんは、昨年末「TIRPSE」を香港にオープンされ、新たに今年4月にはとんかつ屋「つかんと」を東京・虎ノ門にオープンされます。再び自らのお店をもった飲食業界の“異端児”が見据えている今後のビジョンとは・・・?
ご来場予定のお客様は、どうぞご自身のご体調を優先いただき、ご無理をなさらぬようお願い申し上げます。
THINK_110
日時:3月13日(金)
開場 19:00〜
開演 19:30〜21:30
会場:広島市中区舟入本町15-1 サポーズデザインオフィス3階
会費:※今回は無料での開催とさせていただきます。
<注意事項>
※椅子席は先着100席までとなります。以降は立ち見となります。
※ご来場が多数の場合は入場をご遠慮頂く可能性がございます。予めご了承下さい。
※トーク終了後、アフターパーティとしてゲストを交えて懇談会をご用意しています。
※駐車場・駐輪場はございません。恐れ入りますが、近隣のご迷惑となりますので、
公共交通機関でお越し頂きますようお願い致します。
※感染対策のため換気を行いながらの開催となります。各自で防寒対策をお願いいたします。
※感染対策のため、可能な限りマスク着用でのご来場をお願いいたします。
Guest 大橋直誉 / Naotaka Ohashi
高校卒業から競輪選手を目指す。
調理師学校卒業後、東京の「レストランひらまつ」に料理人として入社。「自分の人生で一番料理が出来ない飲食の人間が自分」と気づいてサービスに転向。ソムリエの資格をとり、フランス・ボルドー2つ星 「コルディアン・バージュ」のソムリエに。
帰国後、白金台の三ツ星レストラン「Quintessense」で働き、レストラン移転に伴い同場所にて「TIRPSE」を開業。世界最速でミシュラン一つ星を獲得。
現在は、イベントのディレクションやレストラン・ホテルのコンサルタントを手掛ける。
<<今後のTHINKの予定>>
5月22日(金) 田川欣哉 Takram代表
6月調整中 四角大輔 執筆家