商品の魅力を引き立てる空間
要素を極力少なくし、シンプルな空間とすることで、商品の魅力を引き立たせる店舗づくりを考えた。明るい印象の店舗が多い商業施設の中で素材を限定し、色調を抑えた空間とすることで、色彩のある商品を浮きたたせる演出とした。買い手の意識を商品に集中させ、その魅力を伝えることができる空間となっている。一方で従来、女性的な空間づくりがなされるライフスタイルショップにおいて、シンプルなデザインによって男女問わず入店しやすい店舗とし、いろいろな人が商品に触れ、その魅力に気付くきっかけのあるつくりとなっている。また、BASIC AND ACCENTというネーミングを空間に落とし込み、一見してその個性を伝えることを試みた。
素材は均質な表情のものではなく、スチールやラワン合板、モルタルなど普遍的だが、きめ細かな表情のあるものを選定し、詳細設計にあたっても通常よりも細い棚受けやボリューム感のある天板など、シンプルな中にも個性を持った計画とし、主張しすぎない繊細さと無骨さのコントラストで変化をつけた。
空間をシンプルに削ぎ落とし、情報過多にならず取り扱われている商品たちの魅力を買い手にシンプルに伝え、それらが本来の魅力を生活の中で生かすことができるきっかけのあるライフスタイルショップを目指した。