体験としての式場
来場してくださった方は必ずホワイエ→チャペル→バンケットというそれぞれの大きな空間を経験する事になります。
ここでは、その場での体験を設計する事を考えました。具体的な提案として、通常は廊下などによって、各スペースは繋がれていますが、この建築には廊下がありません。街のようなホワイエは、くつろぐための場でありながらチャペルとバンケットを穏やかにつなぐ役割を果たし、室内でありながらもあたかも外部のような体験を、チャペルでは光による幻想的な体験、バンケットでは圧倒的な開放感による体験、それぞれの場での異なる体験によって、人々の記憶に残る場になっていく事を考えました。
音や光、においなど、建築をとりまく環境と共に建築が設計される事で視覚的な要素だけにとどまることのない場を作る事を考えています。幾度も訪れる場ではないからこそ、その場での体験によって、いつまでもこの場所での記憶が人々の心の中に残っていくような、そんな式場になる事を考えました。