Qusamura Tokyo

結界をつくる

抽象により具象が
日常により非日常が自然と浮かび上がり
ふたつの世界がつくりだす
ハイコントラストな結界により
個性ある植物の神秘性をより際立たせ
植物というアートと
清く向き合える場を想像した

結界をつくる

結界とは、神社の鳥居のように聖なる場所とその他を分ける境目をいう。単に他との間に線引きを行う境界ではなく、聖域に足を踏み入れるような感覚を持たせる結界。意識や感度を高めた状態でひとつひとつの植物と向き合ってほしいという店主の思いは、そんな緊張感の漂う結界を求めていた。

計画地は世田谷代田の住宅街に佇む、庭付きの1軒家。ここに周辺の住宅街の日常から切り離された叢のギャラリーを計画する。

周辺の環境に対して抽象化されたギャラリー要素と、日常というふたつの領域が隣り合っている状態が、そのままギャラリーとして空間化することを考えた。

それは解体された空間を白に塗装し、植物が主役となるギャラリー空間を作ることと、日常という情報が整理されていない状態が同居することによって、互いが助長し合い、個性的な植物に焦点が当たると同時に、日常の風景さえも顕在化する状態を求めた。

抽象により具象が、日常により非日常が、自然と浮かび上がり、ふたつの世界がつくりだすハイコントラストな結界により、個性ある植物の神秘性をより際立たせ、植物というアートと清く向き合える場を想像した。

関係性を設計すること、明るさをつくるために闇があり、大きさを定義するために小ささがあるように、常に対極を考えることが本質に近づいていくのではないかと考えている。関係性について思考を巡らせることが、新しい空間の可能性を作ることに繋がると信じている。

data

竣工

2019年05月

所在地

東京都世田谷区

用途

植物店

設計期間

2019.03-2019.04

施工期間

2019.04-2019.05

延床面積

54.00㎡

credit

施工

セットアップ

鋼製建具・什器・外構

賀茂クラフト

写真

長谷川 健太

担当者

谷尻 誠

吉田 愛

江野 友里恵