RINKAN 新宿店

商品と余白という関係性

シンプルな空間に対し工場などで使われる
ロータリーハンガーを用いて
高密度に商品を陳列し
商品と余白という
高いコントラストをつくりだすことで
お店のアイコンをつくりだした

商品と余白という関係性

首都圏を中心に店舗を展開するRINKANはブランド品の買取販売を行い、さまざまなブランドの希少価値の高い商品を多数取り扱うことで人気を集めている。

このような業態の店舗では、商品量の問題からハンガーラックやショーケースで店内が埋め尽くされ店全体が雑然としてしまうことがある。
また商材がブランド品に限定されていることで、通常のアパレルショップのように、商品構成と連動したスタイルによる他店舗との差別化が難しい傾向があった。

そこでまず洋服とアクセサリーのエリアを明確に分けることから始め、空間自体はシンプルなモルタル仕上げで商品に対する背景とした。
物量のあるアクセサリーは目線を動かさずひと目で認識できる程度の量を目安に、グリッド状に分割した扉つきの小部屋に陳列。それらの集積自体がショーケース部屋という空間になることで、ゆっくりと商品に向き合える環境をつくった。

クリーニング店の工場などで使われているロータリーハンガーを改造し高密度で集中的に洋服を陳列している。これまで平均的に雑然と商品が置かれていた店内に、新たに商品と余白という関係性をつくり出した。また煩雑に見えていた塩ビの衣類カバーは、透明度の高い厚手のカバーを制作し、新品中古にかかわらず全ての洋服に掛けるというルールを設けることで、管理が行き届いたクリーニング店を連想させる個性的な風景が生まれ、ショップのアイコンとなった。

data

竣工

2018年9月

所在地

東京都新宿区

用途

アパレルショップ

設計期間

2018.07-2018.08

施工期間

2018.08.01-2018.08.31

延床面積

64.45㎡

credit

施工

セットアップ

照明計画

Filaments

写真

長谷川 健太

担当者

谷尻 誠

吉田 愛

永井 健太

山田 敦貴

media

商店建築 2019年8月号