縁側でつながるオフィス
目の前に皇居の緑が広がる。この歴史上日本の中心ともいえる場所に、世界中にオフィスを構えるSLACKの日本で初めてとなるオフィスを設計するにあたり、全面に広がる美しい景色を最大限生かしながらもグローバルなSLACKの文化とローカルの文化を同時に感じられる場所をつくりだすことが重要であると考えた。
皇居を望むパノラマの美しい景色を分断することを避けるため、西側全面の窓に沿ってオフィスを横断するように日本の伝統建築における縁側的な中間領域をつくり、この縁側に沿ってカフェやミーティングルームといった各室を配する計画とした。
縁側は美しい景色を楽しむ空間としてだけでなく、隣り合う各室との関係によって多様な行為を受け入れるコラボレーションハブとしてSLACKの文化を象徴する空間となる。庇によって天井高さを抑え、全ての要素を黒で統合することで中間領域としての機能を強めた。この空間を通して景色を望むことで強い対比によってより明るく美しく感じられると共に、縁側と庭という関係によって景色をオフィスの一部として取り込むことを意図している。
ローカルの文化である縁側という伝統様式によって、SLACKの文化をデジタル空間からオフィスという実空間に転換することで、SLACKに相応しいオフィス空間を実現した。