機能美と造形美の融合体
SUSgallery GRAND GREEN OSAKA のショップは、ブランドが掲げる「Sustainable・Uncompromising・Sensibility」という理念を空間として具現化する場として構想した。新潟県燕市に根づく高度な加工技術から生み出されるチタンやステンレスのプロダクトは、機能性と造形美を兼ね備え、職人の緻密な手仕事からにじみ出る工芸的な美意識を内包している。その代表作である真空二重構造のタンブラーやボトルキーパーは、氷も水も使わずに保冷を可能にする革新性と、普遍的な美を両立する存在である。本ショップは、そうした唯一無二のクラフトの魅力を受け止め、単なる販売の場を超えて“用の美と対峙するひとときを味わうギャラリー”として、モノとの一期一会の出会いを体験できる場を目指して計画した。
設計にあたり重視したのは「機能美と造形美の融合」である。空間を構成する左官や和紙といった素材は、いずれも手仕事ならではの偶然性や温度感を湛え、SUSgallery の製品がもつ表情と呼応するマテリアルだと考えて選定した。そこに現れる細部の揺らぎや陰影は、均質化が進む商業空間の中で「ものづくり」の本質を伝え、過去から未来へと手仕事をつなぐ象徴となるよう意識した。計画地は印象的な変形の区画で、大きな柱と複数の柱型、角度の異なる三枚の壁に囲まれていた。不均衡でノイズのある空間という特性を逆手にとり、その空間にあえて“つるりと美しい一筆書きの曲線”を挿入して対比によって凛とした内部の造形を際立たせたのである。そこから生まれる新たな内外の関係性や余白は、訪れる人に発見と感性の刺激をもたらし、SUSgallery が紡ぐ「ものづくりの息づかい」を感じ取れるような空間体験を生み出だすように意図してデザインした。